【 解離性同一性障害の臨床 】
(改訂:03/05/29)
[ はじめに ]
解離症状では、体験や、感情、感覚、意識の一部が統合を失い、意識化されなかったり、感じられなかったり、なくなったように感じられたりします。
解離症状は、正常から病的症状まで連続性のある意識の状態で、正常者では、読書に没頭していうような状態、映画館で好きな映画を見ている時、ぼうっとしている状態、空想にふけっている状態、白昼夢のような状態が軽度の解離状態といえます。
一方、重症の病的な解離症状は、一般の方には理解が困難かもしれません。精神科医や心理カウンセラーでも、幻覚、妄想や混乱状態と混同してしまい解離症状を把握していない場合がしばしばみられます。また一応の知識は持っていても、この症状を経験し理解していないと見逃してしまうことが多いようです。
ここでは、筆者が直接治療にかかわった患者の病的な解離症状の実例を報告して、理解の助けにしたいと思います。
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文責:竹村道夫(初版: 03/05/29)