ロータスヴィレッジの出来事

11月某日職員親睦会の旅行で東京はお台場と銀座散策としゃれこんだ。銀座は足利出身の相田みつを美術館を中心に、そしてお台場は日航ホテルでの中華料理とお台場自由散策というコースである。同じ日本なのにこれほどまでに東京と地方の違いを見せつけられると、これからの日本の様々な改革はすべて大都市繁栄に繋がっていく気がする。地方分権の流れは地方の自立を促すと同時に地方の没落と表裏一体の関係にあることを肝に銘じねばならない。

11月某日職員へのインフルエンザ予防接種を行う。職員の負担は薬代1050円のみで注射器、医師の出張費等は施設負担で行っている。職員の中には発病する者もいる。

11月某日
ある大学の実習担当職員が来る。ホームヘルパー2級資格を学生に与えるための実習依頼である。就職を容易にするための便法に使わないでもらいたいと述べる。今の学生を見るに、大人を相手にするのが苦手なので児童福祉を希望する学生が多いように感じる。児童より老人施設の方が就職しやすいので、大学としては就職実績を上げるために手取り早く資格を取らせて老人施設に就職させるという理由が私には納得がいかないのである。

11月某日今日は職員採用試験日である。若干名採用のところ4人の学生が応募してきた。内一人は病院で内定が出たので受験を辞退した。女子学生の方が男子学生より優秀というのがいつわざる感想である。たかだか20分位の面接と適正検査では判断が付かない。要は施設の教育力育成力次第と思う。

11月某日入居者の総選挙不在者投票を行う。行った入居者は5人程で、昔は20人位が行った。重度化している(要介護度平均3.96)現状では仕方ないだろう。総選挙といえば、福祉・医療にはたくさんお金を使い国民に安心感を与える政策が欲しい。聖域なし改革も結構だが、利用する者にも働く者にも不安感を与えるような政策はまっぴらごめんである。

11月某日総選挙の結果を受けて、朝礼で、「自分たちで施設を守る。自分たちの介護サービスを確立させる。自立の精神(他人をあてにしない、行政をあてにしない)で仕事を行って欲しい。」と述べる。

11月某日まゆドームで行われた伊勢崎駅前保育所プレゼンテーションを傍聴する。営利団体4社のプレゼンであったが、どの会社も同じで審査員は優劣を付けるのに苦労すると思われる。ちなみに我が法人も応募したが1次審査で落とされた。何が原因なのか知るために傍聴したがその理由が分かった。

11月某週殖蓮第2小学校4年生が慰問に訪れた。この学校は既に3年位の実績があり毎月来ている。音楽の先生が熱心である。殖蓮小学校も時々訪れており、やはり6年生だけあって、各グループ間で行うことが違い、よく考えられている。
                                    
         殖蓮第2小学校4年生                  殖蓮小学校6年生

11月某日今日は特養の焼きいも・豚汁大会である。焼きいもは施設の庭で落ち葉を使って焼き、豚汁は入居者が具を切って自分たちが作った。

11月某週介護者教室を、蓮花とロータスで行う。合計で100名近くの地域の民生委員・ボランテア・健康推進員・一般の方が出席していただき、感染症の知識とミニデイサービスで行えるゲームを中心に勉強し合った。

11月某日伊勢崎老施協の会議を行った。伊勢崎市内にある社会福祉法人立の施設の責任者7名全員が参加した。余り活発に活動していないから解散という意見も出たが、親睦を重ねることも大事だからこのまま継続していくことになった。同業者は大事にしていかねばならないと思った。

12月某週この週は、床清掃(年4回)、ガラス清掃(年2回)、便器清掃(年1回)と新年を迎えるためにプロの清掃業者に施設全体をきれいにしていただいている。職員も朝又は夕方の清掃はきちんと行うようにしているが、隅々までは手が届かない。当施設では、清潔は運営方針の一つだ。

12月某日高崎市にある法人本部と保育園の指導監査。この監査は監査室ではなく、保健福祉事務所が行う。理事長の話では、重箱の隅を突っつくような監査で、指導育成の視点が抜けているようだという。これだけ世の中が変化し、法律通達等がリアルタイムで入手できる時代にあって法人の自主性を阻害するような監査はごめん被りたい。自主独立の運営を行わないとだめである。

12月某日在宅福祉会議においてリスクマネージメントの話をする。入浴、トイレ介助、食事介助についてデイ・ケアハウス毎にマニュアルを作成することになる。ヘルパーについては個人個人についてサービス提供責任者が詳細に各職員に伝達することになった。契約制になったことからリスクマネージメントの問題が生じるが、普段から利用者との信頼関係を作っていくことが何より重要である。
 2つ目はケアプラン委託者が多くなりそれに伴いケアマネージャーの突然の退職等でケアマネが欠けたときのことを考慮するように伝える。幸い今年度は3名合格したが、ケアマネがケアプラン作成の業務独占というのはいかがなものか。

12月某日本日賞与支給。基本は2.25月分であるが、職員平均では2.29月分である。自己投資(どこの施設へいっても通用するスキルアップの為)ともしもの為の貯金をするように伝える。あちこちの施設から賞与支給の問い合わせがある。人事委員会勧告により2年連続の給与賞与引き下げに伴いこの減額をどうするのかという問い合わせである。当施設は数年前から施設独自の給与規程を作り、デフレに強い体系を構築済みである。『文春新書「デフレに克つ給料・人事」蒔田照幸著』は参考になる。

12月某日ケアハウスクリスマス会をプラザアリアで行う。このクリスマス会は入居者、家族(全員出席)、ボランテイアの先生方と賑やかである。おいしい物をいただきそして日頃練習している各芸を披露して楽しい一時を過ごした。

12月某日上毛新聞社ビルで行われた「愛の募金」寄附伝達式に出席する。デイサービス蓮花がカラオケ機器を購入する資金として県民の皆様が募金していただいた浄財30万円を受領する。カラオケをしたいという要望があったが、資金的に無理であったところおもいげなくお金がいただけこれで利用者の要望に応えることが出来る。感謝感謝。

12月某日入居者の告別式。この方はロータスが開所してすぐに措置入所された方で、9年7カ月在所したことになる。自分では話をしない方であったが、満足されただろうか。

12月某日餅つきを行う。餅つきは年末の風物詩。施設にいると季節感が無くなる傾向が強い。又専門の寿司職人が握ってくれた寿司を美味しくいただきました。

                     

12月某日年末になり急な相談が増えている。行政も当施設の相談業務も終了する為対策を練る。当施設は、年末年始昼間は事務所に職員が詰めているので対応することになる。どうしようもない場合は緊急ショートで対応する。とりあえず雨風はしのげ、食事は出るので飢えることはない。

12月某日
年末の休みに入っているが当施設は特養、ケアハウスの入所施設は勿論、デイ、ヘルパー業務は行っている。今年は年末年始で8日間連続休みになってしまうため在宅の年寄りは入浴や食事が困ってしまう。高齢者の生活を支えるために存在しているロータスヴィレッジが休んだら存在意味はない。ただただ職員に感謝するのみ。


大晦日入居者は年越しそばで新年を迎える。除夜の鐘を聞きながら今年の反省をする。奢り高ぶりはなかったか。年寄りの生活は支えられたか。厳しい世の中だが、身を引き締めて来年も運営にあたりたいと思う。


     群馬県老施協ホームページ(http://www.jsgunma.jp)




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