3月某日某大学の実習生1名が2週間の予定で実習を始める。指導教官が現場を大切にする教授のようで見込みがある学生である。専門学校、短大、大学といろいろな機関に属する人が実習に来るが、見込みのある学生は僅かである。今までは余り見向きもされなかった福祉の仕事が俄然注目され、かつてのように福祉の仕事に是非就きたい学生ばかりではないことは事実である。問題は、何となく就職する・就職し易いからという理由で就業する人達を福祉業界はどう受け入れ、どう教育・育成していくかと言うことだと思う。良く「福祉の心」という言葉を耳にするが、福祉に携わる者たちに「福祉の心」を宿す教育システムを確立する時だと思う。
3月某日群馬県老施協軽費ケアハウス・養護老人ホーム委員会主催の県外視察に参加した。大変為になる研修であった。役員の方々に深く感謝したい。相模原市にあるケアハウス(特養併設)と養護老人ホーム、静岡県大井川町にあるケアハウス(特養併設)を見学した。この2つのケアハウスは共に特定施設入所者生活介護の指定を開設当初より受けている。その理由は@自立度の高い入居希望者が少ないA入居したとしても将来の退去に不安を感じているB要介護レベルが上がった場合退去に問題が出る等と責任者は語っていた。考えるに、行政の意向が強く、特養に入れずにいる方が多く、その受け皿としての特定施設ケアハウスを指向しているようである。特定にした場合に収入が減り、支出特に人件費が増える傾向にあるようで、普通の感覚から言ってなぜこのようなケアハウスをつくるのかその理由が分からなくなる。ところで静岡は私が大学時代を過ごした場所で、東名高速から富士山が見えたときそして大学が見えたときは、私の住んでいたアパートから毎日富士山が見えたことを思い出し感慨深くなった。もう年か?
大井川のケアハウスで分かったことだが、静岡市で木造の特養ホームが出来るという。昨年夏の経営協青年者会の財務研修で、知り合ったある法人の理事長が計画していた地元政財界を巻き込んだ木造特養ホーム建築戦略が余りにもすばらしかったので印象に残っていた。鉄筋建てに拘っていた自分が恥ずかしい。現状に甘えてはいけないことを痛感した次第である。
3月某日週1回の移動パン屋さんが来る日である。このパン屋さんは伊勢崎に嫁ぐ前に小田原市にある潤生園で介護職員として働いた経験があり、高齢者の気持ちが良く分かり、感じの良い人である。当施設で「働かないか?」と誘っているが良い返事をもらえずにいる。
富士山 ケアハウスの入居者
3月某日詐欺には十分注意することとキャッシュカード・クレジットカード等の盗難には十分注意するように朝礼で伝える。施設にも訳の分からない請求書紛いものが送られてくる。おれおれ詐欺以来様々な詐欺行為が目に付く。また資格商法や商品取引で職員指名の電話が掛かってくるが当施設では一切取り継がない。
3月某日当法人の予算理事会評議員会を高崎市内で行う。事業計画・予算審議が主たる議題で活発な意見が出された。事業計画は各部門で作成し、予算は私が作成している。その後の昼食会では役員相互の親睦が深まった。
3月某日当施設の顧問税理士が東京より見える。当施設の会計システムは、事務員が入力し、それを税理士事務所で確認する仕組みになっている。各法人とも外部監査を導入するところが増えている。良いことである。
3月某日16年度の人事異動を発表する。特養が1名減でスタートするが、採用するまで人材派遣でカバーする。今年は、採用内定者が研修初日から来ないまま採用辞退することと、デイサービス異動が叶わないことで辞める職員がいたために1名減のスタートである。この辞退者は大学時代は何の問題もなく、当施設の訪問介護実習でも何の問題のない学生であった。このようなケースが最近多いとは聞いていたが、困ったことだ。デイサービス異動が叶わなかった職員は結婚すれば異動できるものと思っていたようだが、本人の能力・適性・やる気等を判断して決める異動であるので我が儘は許されない。
3月某日新職員採用の為多くの人と面接をする。すべて男性で30代が多い。バブル時代に兵隊採用(能力に関係なく頭数を揃えるために採用された人を指す)された人が多いようである。
3月某日彼岸供養を太田市在住の住職と当法人の理事長を導師にして行う。
3月某日夜間想定の避難訓練を地域防災協力員の協力を得て実施する。絶対に起こしてはいけない火災であるが、何度行ってみてもいろいろ問題点が浮かび上がる。
3月某日学校が春休みに入ったこともあって交通事故には十分注意するよう朝礼で伝える。特に施設近辺は細い道が多いので徐行(ブレーキを踏んだらすぐ止まれる速度)で走行する。
4月某日今年度の運営方針は@心ふれあう介護の実践A責任ある行動の徹底であると朝礼で伝える。@については、当施設を利用している利用者は不平不満があっても意識的に伝えないか、伝えることが出来ない高齢者であるので、不平不満を汲み取る努力をしなければならない。Aについては、今まで当施設は仕事のみを人事考課の基準と使っていたが、どうもそれだけでは不十分であるケースが昨年当たり見受けられたので、私生活を含めて人間教育も必要である結論に達した訳である。
4月某日やっと職員が採用できた。福祉とは全く畑違いの職種に就いていた大卒2年目の男性である。我々が相手にしている利用者は何十年も社会生活を送ってきた人なので、様々なタイプの人がいることがベターと思って採用した。当施設も今年開設11年目になるが、開設当初は素人同然の体制であった。しかし、職員の不断の努力と勉強し続けるという当施設の方針に沿って仕事を続けてきた結果、今のロータスがある訳である。
4月某日職員の結婚式に私の住まいの近くが式場なので自転車で行った。車ではないのでお酒も飲めてLUCKYだった。新郎の父親の挨拶で、金儲けではない仕事に就くのも悪くないという言葉が印象に残った。
4月某日今年初めての山行きで榛名山に登った。榛名湖の外輪山を約3時間天目山(1303m)、氷室山と最後の山では少し息が切れた。月に1回の山歩きは気分転換が図れ仲間たちと和気あいあい楽しい一時である。
4月某日「苦情は宝である。いやだなと後ろ向きに考えるのではなく、なぜ苦情を言われたのかその理由を考え、直すことが我々サービス業にとっては一番大切である。職員が良いと思ってしたことでも、家族は悪く取る場合もある。」と朝礼で伝える。
4月某日給食会議でムース食の試食を行う。見た目も舌触りも良い。一般的にミキサー食や刻み食は見た目は悪い。何とかなる日も近い。
4月某日1日かけて県老施協の会計監査を行った。300を超える加盟施設や専任職員を1名置く体制であるので、予算規模も大きく神経を使ってしまった。役員になられた方の苦労を思うといい加減な監査は出来ない。
夕方からは、親睦会主催の総会と歓送迎会である。5名の新職員を迎え、「職員を育てること」をロータスのカラーとする様に挨拶で述べる。
4月某日当施設では各部門の運営方針を立てているが、それを決めた背景を各部門の主任に説明してもらう。方針は立てたままにしないで、随時見直しをし1年後に総括すること(PLAN-DO-CHECK)が大切であると感想を述べる。
4月某日デイサービスが赤堀せせらぎ公園に鯉のぼりを見に行くというので一緒に行く。たくさんの鯉が気持ちよさそうに泳いでいた。
群馬県老施協ホームページ(http://www.jsgunma.jp)
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