11月某日午前は専門学校1年生に対する施設の概要説明を行う。最近は女性より男性が多く、女子学生を採用したいのだが、難しい。今年度採用者も4人中3人までが男であった。女性の入居者が多いので同性介護を進める上からも女性が必要なのだ。来年度採用者も女性の応募者がいなくやっと二次募集で女子学生1名を採用できた。午後は新田暁高校3年生に対しケアマネージメントの実際と題して授業を行った。私は介護支援専門員の資格は取得済みなのだが、実際に業務に当たっている訳ではないが分かる範囲内で授業を行っている。欲をいえば私は元々高校の理科の教員で専攻は化学なので化学の授業が有れば嬉しいのだが、高校生と触れ合うだけで昔を思い出し楽しい。

11月某日近所に住む看護師が仕事があるかと問い合わせてきたので、面接をしたところ、中学校の頃から老人ホームで働きたい希望があったとのことで採用を決定した。看護師の問い合わせが多く嬉しい限りである。

11月某日
現在育児休業中の職員が育休期間終了をもって退職するにあたり挨拶に来る。夫は大手飲食チェーンに勤務しているのだが、いつも帰りが午前様で夫の援助も当てに出来ず、また親も兄弟の子どもの世話で当てに出来ないということで退職することにしたという。子供は持ちたいし、仕事は続けたい、が子育てをどうするか。差し迫った問題だが、名案はない。名案があったら教えて欲しいと思う。

11月某日
殖蓮中学校2年生のチャレンジウイークで地元豊城町在住の生徒45名が実習に来る。3班に分かれ清掃活動と車いすの講習を行った。小・中・高校生にはロータスヴィレッジを知ってもらうために積極的に関わっていきたい。
           
11月某日高崎市近郊の創造学園大学で行われたぐんまユニットケア研究会セミナーを覗いてみる。出席者数232名と多数にのぼり、ユニットケアに対する関心の深さが伺える。昨年度以降開設・増設された特養施設は全て個室ユニットケアでなければならないので一層身近になっているのであろう。私が「施設長の独り言9話」で指摘したとおりのことが議論されていた(施設長の独り言9話)。ユニットの平均介護度が当施設のように4を超えることになった時どうするのであろうか。UNIT WATCHERになろうと思う。

11月某日久々の山行き(今回はハイキング)で軽井沢の離山に行った。登る途中日本カモシカに遭遇し、こんな場所にいるのかと一行びっくりする。デジカメを持っていかなかったのは一生の不覚である。しかし、カモシカが見れたり、噴火直後の浅間山は良く見えたりで最高の気分であった。

11月某日当施設の近くに完全個室ユニットケアの特養ホームの内覧会があったので相談員共々見に行った。どこの完全個室特養ホームも同じつくりで代わり映えがしなかったが、ホテルコストが48,000円と高く、入居者の一部負担金は1カ月100,000円になる。来年10月には食事費も全額利用者負担になり、更に高くなり完全個室特養ほーむに入居するのは大変になる。母体の医療法人も目の色が変わってきたと、当施設の相談員が言っていた。それはそうだ。

11月某日午前、毎年の恒例になっている伊勢崎市養護学校中等部の生徒との交流会が開かれた。皆の真剣さと暖かさが伝わってきた交流会であった。
   養護学校   殖蓮小   
11月某日地元殖蓮小学校4,6年生の訪問があった。 

11月某日施設入居者の後見人選出を相談するために司法書士が来訪する。この入居者は夫に死なれ子どもが無く、近くに弟が住んでいる方である。この弟さんに申立人になっていただく事で後見人選出が決まった。このようなケースはここ2,3年前から増えてきて、お金がある方は後見人選出が割合簡単であるが、お金のない方はどうするか、困った問題である。

11月某日全国社会福祉施設経営者協議会 全国青年経営者会大会及び青年管理者セミナーに出席した。この日は群馬県老人福祉協議会結成10周年記念式典であったが、今回の大会が最初で最後の大会(青年経営者会は定年が50歳である)であったのと発展著しい福岡市をこの目で見てみたいと思い、青年経営者会に出席することにした。大林会長・松沢委員長ごめんなさい。噂どおり福岡は発展の真っ最中で、天神地区から中洲エリアを通ってキャナルシテーまで歩いたがいたる所で再開発が進み空き室も少ない。今回2日目の交流会の時、大阪府立大関川教授には大変失礼なことをしてしまいました。申し訳有りませんでした。以前から関川教授の話は聞きたいと思っていたのですが、聞く機会に恵まれず関川教授本人とは知らなかったのです。

11月某日日本とフィリピンとのFTA(自由貿易協定)交渉で、日本はフィリピン看護師と介護士を受け入れることで両国は合意したという。何人受け入れるのかとか待遇とかの条件整備については今後詰めなければならないことが多いが、受け入れることが決まったことの意味は大きいと思う。既に何人かの者が探りを入れてきたが、聞く価値はありそうである。

12月某日早くも師走である。私は今年最後の遠出をしてきた。私的旅行であるが、仕事に関係なくもないところが、経営者としての性とは言え寂しい。

12月某日人間ドッグに入りどこも悪いところはない。7年前に中性脂肪が1100有ったのが今回は150となり、薬を飲んでいるとはいえ有り難い。この後風邪を引いてしまい仕事納めまで治らずにいた。参った。

12月某日ケアハウスのクリスマス会が、入居者・家族・ボランテイアの方々と共に盛大に行われた。ボランテイアは各趣味の教室の先生方で発表会を兼ねている。年1回顔見せもあり和気藹々和やかの中で楽しい一時を過ごした。
民謡民舞茶道

12月某日本日12月分の賞与を支給する。職員平均の支給月数は2.304月である。数年前から成果主義を取り入れているが、やはり頑張る職員とそうでない職員との差は出る。

12月某日在宅介護支援センター管理者セミナーに出席する。主催者は情報を共有化したいと言うが、何も決まっていない中で情報の共有化といっても絵に描いた餅である。しかし、いつも思うことであるが、大事なところは厚労省に実権を握られている福祉業界はいつになったら発展破産を含めて自立できるのか。
                                    
12月某日今年最後の介護認定審査会が明日が祝日だというのに夕方から開催されるので出席する。介護度1の人が多くその幅が多い。厚労省は意識的に介護度1を増やしているとしか思えない。これで介護度1と認定された人が介護保険適用除外されたら困るのは年寄りである。群馬県老施協が軽介護はずし反対広告を新聞に載せるのも意味があると思うし、反対署名活動を行うのもやむを得ない。

12月某日いよいよ大晦日である。私は日直で一人事務室でこの日誌を書いている。今年もいろいろあったが、来年はもっと大変なことが起こりそうである。特養入居者の食住費が平均3万円程取られるし、私達の負担も年金・雇用保険・定率減税の半減等重くなる。私は思う。一致団結しすばらしい介護サービスを提供するしかこの難局を乗り切る方法はないと。
 この1年間この日誌を読んでくれた方々ありがとうございました。来年も施設の原状を残り隠さず伝えたいと思いますので、引き続きご開読よろしくお願いしまして今年の日誌を終わりたいと思います。

     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp



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ロータスヴィレッジの出来事と施設長日誌