5月某日当施設では開設当初からオゾン脱臭機が設置されて部屋やトイレ等に吹き出す構造になっているが、脱臭機の調子が悪くここ2〜3年有効に作用していない感じがしていた。たまたまオゾン脱臭機の営業マンが来たので今後について企画見積もりをしていただいた。やはり窒素酸化物が付着していて脱臭機として機能していない結果が出た。今後どうするか決めねばならない。

5月某日ここ1ヶ月くらい入院者が多い。昔から芽吹き草枯れの時期は体調を崩す人が多いといわれているが、当施設でも同様なことがいえる。だんだん暑くなると調子を戻す。在宅で過ごす人は暑さにまいってしまうが、施設に入所している高齢者は違う。

5月某日
西毛地区主催のアメリカ研修が中止になったようだ。「ようだ」と曖昧になるのは中止の通知文が来たわけでもないのに出発日が来て何の音沙汰もないからだ。団体で主催するのだからきちんとした対応をしてくれないと困る。低負担低福祉のアメリカの介護制度を含む社会保障制度に日本は追随しているが、これでは日本人は困る人が続出である。アメリカのグローバルスタンダードなど糞食らえである。日本には日本人にあった社会保障制度を築かねばならない。
   
5月某日
17年度決算も近いこともあり顧問税理士が東京からやってきた。昨年10月から食費と居住費等の費用が全額自己負担になった関係上、これらの費用をどう処理するのかが重要なポイントである。当法人は会計基準に基づき会計を処理しているがきちんとした会計基準通知を出して欲しい。社会福祉会計に精通した税理士なので今まで決算日に遅れたこともないし、間違った処理をしたこともない。
           
5月某日ケアハウス入居者と趣味の教室で日頃お世話になっている講師の先生たちと共に足利のフラワーパークに日帰り旅行に行ってきた。シャクナゲとボタンが満開で楽しいひとときを過ごすことが出来た。

5月某日夕方にぎやかな声が聞こえて来たと思ったら、ヘルパー事業部門の研修であった。15人のヘルパーがいるが月1回全員が集まるのがこの研修である。当施設の訪問介護報酬は10%割増料金になっているが、これは介護福祉士資格を持ったヘルパーが多いこと、そして研修をきちんとしていること等の条件がある場合に10%割増になる。利用者から見ると1割負担が多くなるが、ケアプランに記載された仕事をきちんと行い、利用者の声はサービスを提供したその日の内にサービス提供責任者に伝わるなど良い面もたくさんある。4月以降訪問介護を断ってきた利用者は皆無に等しい。

5月某日
業者による施設内清掃が行われる。ベッドを動かし机やテーブルも移動させての大規模な清掃である。年4回の業者清掃である。当施設は疥癬の発症者はここ6年ほどいない。新規の入所者は疥癬を発症している場合も多いが、皮膚科の先生の指導もありまた入浴に工夫をしたりで施設内で治してしまう。ベッドを移動することで隅にあるゴミがきちんととれることも、疥癬発症を押さえている理由として大きいと思う。

5月某日施設の近くの電線でカッコーが良く鳴いている。この時期になるとカッコーの鳴き声が聞こえてくる。気分が安らぐ鳴き声に心が落ち着く。カッコーは自分では子育てをせずに、他の鳥の巣に卵を生み他の親鳥に子育てをしてもらう習性があるという。そういえば今年はツバメが巣を作らなかった。昨年までは巣を作っていたのだが、雀に攻撃され今年は巣を作らなかった由。

5月某日本日付けで入院が長引くために退所した方がいる。施設での看取りより治療を選んでの結論であった。施設での看取りを希望する家族と病院での治療を望む家族の判断の分かれ目は何なのか。どちらの選択も家族の思い選択であるので尊重しなければならない。

6月某日恒例の職員健康診断である。全般的には今、旬な言葉「メタボリックシンドローム」傾向が強い。特養施設長で医師の蓮村幸兌氏の言葉を借りれば、メタボリックシンドロームとは「動脈硬化性疾患を発生しやすい複合的リスク症候群」といい、かつては「内臓脂肪症候群」とか「死の四重奏」と呼ばれていた。職員の皆さん油分を取り過ぎです。運動も忘れずに行ってください。

6月某日群馬県在宅介護支援センター連絡協議会の解散総会に出席する。国は、在宅介護支援センターの役割は終わらせ、代わりに地域包括支援センターにその任務をさせることに決めた。厚労省老健局山崎課長は「今回の介護保険制度改革の基本的なねらいの一つは地域保健、地域福祉の再構築で、急増する軽度者を支えるのは介護保険だけではなく市町村の保健事業や福祉事業の役割である」と述べている。国は、在宅介護支援センターに地域のことを任せたが、特に介護保険法施行後自己利益を追求するあまり地域のことを省みなくなった介護支援センターを見捨て、問題はあるがまだ市町村なら良しと考えその役割を振ったといえる。当施設でも自己利益実現を図ったかもしれないが、在宅介護支援センターを残すし自前で収入を確保する覚悟である。市町村等の補助金で仕事を行うより、自前の力量で地域の問題を解決した方がすっきりするしやりたいようにやれると言うことでよいと思う。

6月某日特養に新しく入居者が入った。この方の義父も入所されていた。と言うことは親子2代で当施設を利用したことになる。この二人とも在宅サービスを利用し在宅ではもう無理と言うことで入所した方である。このような利用の仕方が一番良いのであろう。親子2代にわたって当施設を利用されることに感激です。

6月某日
指導監査当日である。県の職員3名が9時20分には来た。施設を回った後監査になる。特養、ケアハウス、通所介護、訪問介護、居宅介護支援と事前に提出した自主点検表に基づき担当職員に聞いていく。詳しくは
施設長の独り言20話を参考にしてください。
      
6月某日東北学院大学岡田助教授が来訪する。岡田先生には当施設が抱えている課題に関して的確なアドバイスをいただいている(施設長の独り言17話)。今回の訪問は老人ホーム関係の本を出版するにあたりサービス提供の現状を把握する目的のためである。相談員と介護職員から事細かに現状を聞きまくっていた。私への質問である、なぜ特養ホームを造ったのかとの問いに「住民のためになる」からと答えた。大学時代に行っていた住民運動の助っ人になればということがうまく先生に伝わったか。他の施設長を交えた懇談会の席なので空回りしたかもしれない。

6月某日監査から解放され少し仕事のことを忘れる意味で現場を離れた。詳細は次回の施設長の独り言で述べるのでお楽しみに。

6月某日群馬県福祉マンパワー運営委員会研修企画部会の会合に出席する。予算が減少する中で良く練られた研修を企画実施してくれている事務当局に感謝申し上げたい。大学の先生によると、今の学生は指示命令されることは行うが、自ら率先しての行動は苦手という。今年から当施設でも新人職員の教育を懇切丁寧に行うよう変えた。大事にしないといけないのだろう。

   

    


     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp



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