11月某日地元殖蓮小学校生徒132名が見学に訪れた。見学に訪れたり交流会を持ったりで年々盛んになっている。伊勢崎養護学校との交流会も何年も続いており、地元の子どもは小さい頃からロータスに出入りしている。来年度採用される学生は小学校の頃訪れたことがある地元在住者である。大きくなってもロータスを覚えていてくれれば学校との交流も価値有ることである。
    
 殖蓮小学校    伊勢崎養護学校  殖蓮第2小学校

11月某日今日から介護福祉士養成学校の3段階の実習が始まる。現在社会福祉士及び介護福祉士制度の見直しについて社会保障審議会福祉部会で議論が行われている。介護福祉士養成課程(短大や専門学校など)を現在1600時間から1800時間に引き上げ、更に国家試験を義務づけ、3年間の実務経験者にも6ヶ月の養成教育か500時間の介護職員基礎研修を受験資格要件とする案が示されている。資格取得を難しくすれば確かに知識や技術は向上するだろうが、思いやりの心は人間性に基づくので試験だけでは如何ともし難い。大学医学部入学に面接を取り入れたりしているのは、心の問題が抜き差しならぬところまできた結果であることを厚労省は知らぬ筈はない。今まで福祉現場を支えてきた人たちは、物を作ったり売ったりすることができず弱い立場の人と接することしかできない、資本社会から取り残された人たちであったことを忘れてはならない。

11月某日
山行きの予定であったが、熊が出没するというので中止になった。今年は熊が人里近くまで出て来てあちこちで被害が続出した。山に食料が無いのかそれとも温暖で冬眠することができなく食料が無くなった山から人里に食料を得に来たのか。楽しみにしていた山行きだったのに残念。
   
11月某日
全国老人福祉施設大会神戸大会に参加する。全参加者は2281名、群馬県は26名である。群馬は団体参加なので切符の手配や乗り継ぎなどに便宜を図ったのでスムーズに会場まで行くことが出来た特に経済産業省江崎禎英氏の「外国人労働者問題」は特に示唆に富み大変参考になった。詳細は(フィリピン介護労働者受け入れについて私見その2)を参照。
           
11月某日朝礼での一言発言で特養入居者の家族が来ると入居者は喜ぶという発言があった。契約時点で家族に面会に来て下さいと私は言っているが、特養職員も、面会に行きたいと思わせる場作りや努力をして欲しい、と私は発言した。

11月某日今年度より介護サービス情報の公開制度が施行され、事前に調査項目に答えることになっているが、この内容が細か過ぎて答えるのが嫌になってしまう。果たして何人の利用者がこの細かい内容をインターネットで見て施設を選ぶのだろうか。確かに当施設のホームページを見てケアハウスに入所した人はいるが、その人達も伊勢崎近辺に住み実際に施設を見学し職員に話を聞いて契約する回数が多い。ISO認証取得企業の業績が上がらないのは、ISO認証マニュアルが現状把握を主眼に置き将来どうするか、職員の改善意識等の文書等の結果で存在しないことは考慮していないことにその原因がある。今回の介護サービス情報公開制度もこのISOによく似ている。プロセスを見ずして結果ばかり追い求める制度は必ず破綻する。

11月某日
私の以前の職場の創立100周年という事で教え子や元同僚達と話す機会があった。心配していた生徒もママになったり第一線で活躍していたりで人間は成長し逞しくなるものだと実感した。また同僚達も私学ということで生徒が入学して「なんぼ」ということを意識しており民間の厳しさをヒシヒシと感じたひとときであった。

11月某日ケアハウスお茶会が庭で開かれる。今年は思いのほか暖かく外で行っても何の問題もない。茶道を教えて頂いている大沢先生には大変お世話になっている。
 


11月某日群馬県老施協理事会に研修委員長として参加する。研修委員長としては来年3月までに実施する研修内容(施設長1泊研修、研究総会、新任職員研修)の報告を行った。もう一つ議案として19年度以降23年度までの各職種別研究会の役員選任についての提案を行った。役員を選ぶのに苦労する現状を踏まえ、また各施設が責任を果たす意味で5年間分の役員を提案した。反対もなくこれで各研究部会も研究に専念できるだろう。

11月某日募集していたパートホームヘルパーの採用が立て続けに決まった。また1年前から声をかけてきた人も就職を決めてくれた。嬉しい限りである。昨今訪問系の職員採用がままならないのは各地の介護保険事業所では当たり前になってきている。そのため在宅での生活を押し進めてきた厚労省の政策も破綻するのではと危惧している。

11月某日神戸に続き北海道に行くことになった。妻が札幌からの寝台特急カシオペアに乗りたいとの要望に応えるためである。私は行きたくはなかったがせっかくだから同行することにし、札幌で保育園とグループホームを経営している知人を訪ねることにした。北海道も暖かく石北峠と層雲峡が吹雪であった。地元の人に言わせればこの程度の吹雪はなんともないそうである。札幌の施設は駅から車で10分程度の公園に隣接した閑静な住宅街にある。保育園は社会福祉法人経営で定員90名、グループホームは3ユニット定員27名で株式会社経営となっている。保育園は全国的に待機者もいるくらいだから何の問題もない。ここの施設長は「全国組織に入会した方がいいんですかね」と言うから、私は「3ユニットも有れば何の問題もありません。問題は単独で1ユニットのグループホームです。」と答えておいた。札幌は人余りで職員採用では嬉しい悲鳴を上げているそうです。アーうらやましい。
  
層雲峡温泉
赤い屋根が保育園その奥の3階建てがグループホーム

11月某日特養での看取りを希望していた入居者が退院してきた。今年度から看取りで介護報酬に加算が付くようになったが、今年初めての看取りである。この入居者は6日後に亡くなった。最期の期間を静かに家族に看取られながら天寿を全うさせたいと希望する家族が多くなってきた。

11月某日
朝礼での一言で「年末を迎えるのにあたって環境整備に心がけたい。」という発言があった。普段出来ないところを心込めて行っていただきたい。当施設ではこの時期、床清掃、窓ガラス清掃そして便器洗面所清掃が業者によって行われる。環境整備にはお金をかけて美化に努めている。
      
12月某日1日人間ドッグで胃カメラを飲むことになった。過去2回飲んだことがあったので何の心配もしていなっかなのだが、案に反して飲むことが出来なかった。嘔吐物は出ないのだがものすごい吐き気を催し自分で胃カメラを引き抜く有様であった。胃カメラは私の体に合わないのだ。

12月某日私的な日帰り旅行で横浜中華街に行った。近くのランドマークタワー周辺には研修で行ったことはあったが、中華街をじっくり散策したのは初めてであった。お土産屋さんで白檀入りの線香を買った。中国製で香りが強く、特養の広い食堂でも十分香が行き渡り毎日焚いている。ある入居者が「まんまがまずくなる」と言われたのには驚いた。

12月某日ケアハウス忘年会兼クリスマス会が入居者8名ボランテイアの先生8名が出席して行われた。家族の参加が1名だったのはちょっと寂しかった。1年の成果を披露した楽しい会であった。
  
  
大正琴        民謡       民舞

12月某日嘔土や下痢を起こす感染性胃腸炎が当施設でも流行っている。原因はノロウイルスのようであるが、当施設は2年前ノロウイルスによる感染症が流行り新聞にも取り上げられた経歴を持つ。そのおかげできちんとしたマニュアルが出来ており、塩素の入った水で拭いたり食べ物は厨房に持っていかず密封して廃棄する体制をいち早く実施したおかげで1週間で収まった。面会等の自粛要請も軽微で済み乗り越えられたのも前回のノロウイルスのおかげである。ノロ対策は来年1月末まで実施する予定である。
12月某日上越市在所の老健施設の職員からホームページを見て質問をしてきた。このホームページが思わぬところで読まれ参考にされていることに思わず感激した。今後もホームページを作り続けようと思った。

12月某日特養クリスマス会ということで演歌歌手とかわいいサンタクロースそして職員の出し物で盛り上がった。
  
演歌歌手 榛名有里   素人の職員     餅つき
12月某日顧問税理士がはるばる東京から見える。経理全般をチェックしてもらうためである。当施設にも経理規程がありそれに則って日々の経理を行っている。

12月某日恒例の餅つきである。たくさんつく訳でないが日本の風物として餅つきは欠かせない年中行事である。毎年ボランテイアと母親に頼んでいる。

12月いよいよ年も押し詰まってきた。今年はどうであったか。私的にそして施設の責任者としてどうであったか。私的には大した問題もなく過ごせたように思う。息子が希望する大学院に受かったことは良かった。仕事では、介護報酬の減額はボデーブローのように効いてきて引き続き頭を悩ませることになると思うし、職員募集では秒案が無く苦労しているが、予算の範囲内で出来るだけ職員に還元し働きやすい環境を整備して行くしか手だてはないだろうと思っている。また介護に正解はない認識のもと、引き続き研修・学習を続けて行くしかないとも思っている。社会福祉法人の役員としては早急に解決しなければならない案件を粘り強く交渉しなければならないと思っている。
 この日誌や独り言をを読んで頂いている方、ロータスwatcherの方、拙い文章に年6回もつき合って頂いて誠にありがとうございます。文章力が貧弱なもので甚だ恥ずかしい限りなのですが、なるべく施設のことが分かるように、そして私の考え方を理解していただくよう努力していきますので来年も引き続きご愛読の程よろしくお願いします。また皆さんがよい年を迎えられることを祈念して18年の日誌を終わりにします。

    


     群馬県老施協ホームページhttp://www.jsgunma.jp



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